自動車整備工場の廃業手順や注意点を徹底解説!M&Aという選択肢もある?

こんにちは、株式会社Blue Finback代表のチェンです。

 

僕は今まで400件以上の自動車整備工場様や
鈑金工場様の経営にたずさわってきました。

 

その中で、最近よく耳にするようになったのが、

廃業

についてです。

 

 

 

話していると、

「跡取りもいないし、
もう俺も歳だからそろそろ会社たたもうかな」

という社長様が一人や二人ではなく、
本当にたくさんいらっしゃいます。

 

特に、地方では廃業を考えている自動車整備工場や
鈑金工場がとても多いです。

 

 

そこで、今回は、

 

  • 自動車整備工場の廃業手順
  • 廃業のメリット、デメリット
  • 廃業以外の選択肢はないのか?

 

など、自動車整備工場、鈑金工場の廃業について
網羅的にまとめていきたいと思います。

 

この記事を最後まで読めば
自動車整備工場や鈑金工場の廃業について
すべてがわかるようになっていますので、
ぜひ最後まで読んでいただければと思います。

 

 

目次

自動車整備工場の廃業状況

 

 

以上のグラフは、近年の自動車整備業(鈑金塗装も含む)の
休廃業・解散、倒産の年次推移です。

 

休廃業・解散とは、
会社はたたんでないけど営業はしていない状態(=休業)と、
会社を自らたたむ(廃業・解散)
のことです。

 

そして、倒産とは、
資金繰りが立ち行かなくなり、会社をたたむこと
です。

 

これをみると、
業績が悪化して倒産する
自動車整備工場や鈑金工場の数はそこまで変わらないけど、

自ら廃業する整備工場はどんどん増えている

ことがわかります。

 

 

しかも、業績がたち行かなくなって会社をたたむ(=倒産)より、
業績は問題ないのに自ら会社をたたむ人(=廃業)の方が
約4倍もいるんです。

 

 

廃業する自動車整備工場が増えている理由

 

では、なぜ倒産する数は横ばいなのに、
廃業する数だけがどんどん増えているのか?

 

 

理由はいくつか考えられますが、
一番大きいのは、

後継ぎがいない

ということでしょう。

 

 

その理由としては、

  • 息子が東京などに出てしまった
  • 息子が整備や鈑金にあまり興味をしめさない

など御子息が後を継がないことや、

  • 従業員も高齢や資金不足で後を継げない

などそれ以外の関係者も継げない、
ということが挙げられます。

 

 

 

しかも、ちょうどバブル期に整備工場を建てた方が、
今ちょうど60代70代になっています。

 

つまり、黒字でうまく経営も回っているのに、
後継ぎがいないという理由だけで
廃業している人がどんどん増えている、ということなんです。

 

 

これが、倒産は増えていないのに、
廃業だけが右肩上がりになっている理由です。

 

 

 

 

廃業のメリットとデメリット

 

では、後継ぎがいない場合、どうすればいいでしょうか?

 

経営者が引退したいのに後継ぎがみつからない場合、
方法は主に2通りあります。

 

それは、

  1. 廃業
  2. M&A

です。

 

ここでは、M&Aと比べた
廃業のメリットとデメリットをみていきましょう。

 

 

廃業のメリット

 

M&Aと比べて廃業が優れているところは、

もっとも早く全ての責任から解放される

ことでしょう。

 

 

責任とは、具体的には

  • 債務の責任
  • 納税の責任
  • 従業員の進路の責任
  • 顧客に対する責任

などです。

 

 

つまり、今すぐ解放されたい、
もしくは解放されないといけない場合、
廃業がもっともよい戦略になります。

 

例えば、
経営者が全く仕事ができないほど
重い病気にかかった、
などの場合ですね。

 

 

廃業のデメリット

 

ただ、実は廃業にはデメリットも多いです。

 

そのデメリットは、会社の債務を全て返済できるかどうかで変わってきます。

 

1.会社の債務が返済できない場合(=倒産)

  • 社長が個人で返済する必要がある
  • 多くの場合、社長も自己破産することになる
  • しばらくの間倒産が信用情報に残る

 

 

2.会社の債務が全て返済できる場合

  • 本来の会社の価値より少ない金額しか手に残らない
  • 廃業するのにも数十万円の費用がかかる

 

 

廃業すれば全て終わり、というわけにはいきません。

 

多くの自動車整備工場や鈑金工場は銀行からの融資を受けていますので、
それを返済する義務が生じます。

 

 

僕は今まで400件以上の整備工場の決算書をみていますが、
債務超過(=会社の資産を全て現金化しても返済できない)の状態にある会社も多いです。

 

その場合は社長も自己破産することもあります。

(連帯保証人に社長がなっている場合がほとんどですので)

 

 

本来はもう会社を引退したいのに、
自己破産したくがないために
しぶしぶ続けている社長さんもかなり多いですね。

 

その際は、確実にM&Aを検討した方がいいでしょう。

 

 

 

廃業の手順

 

次に、廃業するための手順も紹介します。

 

廃業の手順
  1. 従業員や取引先に廃業を知らせる
  2. 税務署に解散届を提出する
  3. 債務を返済する(清算する)
  4. 解散確定申告と清算結了登記をおこなう

 

 

1.従業員や取引先に廃業を知らせる

私は、廃業を決意したらまずは
従業員や取引先に知らせるべきだと考えています。

 

関係者に迷惑をかけないためにも、
できるだけ早く知らせて
準備する期間を与えるようにしましょう。

 

 

2.税務署に解散届を提出する

税務署に廃業する旨の書類(解散届)を提出します。

 

 

3.債務を返済する(清算する)

銀行からの借入を全て返済します。

 

ここで返済しきれない場合は倒産となり、
多くの場合、連帯保証人である社長が
個人の資産で返済をします。

 

社長も返済しきれない場合は、
社長も一緒に自己破産となります。(別途手続きが必要)

 

 

4.解散確定申告と清算結了登記をおこなう

最後に、決算書を作って確定申告し、
清算結了を登記して廃業は完了になります。

 

 

廃業の注意点

 

さらに、廃業の際には注意点がいくつかあります。

主な注意点は、こちらです。

 

廃業の注意点
  1. 廃業以外の方法を検討
  2. 事前の準備
  3. 会社の債務の整理
  4. 従業員の進路を検討

 

 

1.廃業以外の方法を検討

引退する場合でも、
廃業が最適な手段ではない場合があります。

 

先ほど挙げたメリットとデメリットを比較し、
廃業するかどうかを決定しましょう。

 

この選択を誤ったために、
本来とくらべて数千万円も損してしまった、
なんてこともざらです。

 

その際、専門的な知識が必要なので、
専門家に相談することをオススメします。

 

 

2.事前の準備

廃業をする際には、
前々から準備しておくことをオススメします。

 

従業員の進路を検討したり、
顧客に説明をしたりする時間が必要だからです。

 

また、廃業を先延ばしにすると、
その間に業績が悪化して、
最悪倒産することにもつながってしまいます。

 

 

3.会社の債務の把握

最後に、廃業する前には
必ず会社の債務を全て整理してください。

 

特に、今銀行から融資を受けている額を
全て返済できるのかについて確認してください。

 

 

もし返済できない場合、
連帯保証人として社長の名前があるかも
チェックすることが大事になります。

 

そんなつもりはなかったのに、
廃業したら社長に莫大な借金が残った、
自己破産するしかなくなった、
ということになったら取り返しがつきません。

 

 

M&Aの手順

 

では、債務が大きい場合など、
廃業を選ばない場合はどうすればいいでしょうか?

 

その場合、

M&A

を選ぶことになります。

 

 

M&Aをすることにより、
会社を潰さずに済むだけでなく、
債務も買い手企業に肩代わりしてもらえたり、
売却益として多額の現金を手元に残すこともできます。

 

M&Aのメリットや手順については、
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

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まとめ

 

今回は、

自動車整備工場や鈑金工場の廃業

について取り上げました。

 

 

廃業は引退したいときに一番最初に思いつく選択肢ですが、
多くの人にとっては一番よい選択肢ではありません。

 

M&Aを選択し、
会社を未来にも残した方が
メリットが圧倒的に大きい場合もあります。

 

 

一度、弊社のような専門家に相談されることを強くオススメします。

 

 

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